ヘッダ

先生から 読んで、聴かせて、伝えたい

繰り返しが楽しい絵本

おだんごぱん ロシアの昔話
おだんごぱん ロシアの民話
せたていじ/やく わきたかず/え
福音館書店

 幼稚園で年長児に読んだ本。おだんごぱんの歌「ぼくはてんかの〜」が繰り返し出てくるが、歌として読もうとすると難しく、ついつい早口になってしまっていた。しかし、おだんごぱんがテンポよく動物たちから逃げていく様子に子どもたちも楽しんでいたと思う。最後にきつねに食べられてしまうと「あーあ」「やっぱりね」等の声が印象的なので、少人数にじっくり読み聞かせる方法も良いのではと思った。

(5歳25人 保育士)


厚い本の読み聞かせも

ドリトル先生アフリカゆき
ドリトル先生アフリカゆき
ヒュー・ロフティング/作
井伏鱒二/訳
岩波書店

 小学校の図書室の新着本の中に、『ドリトル先生シリーズ』があった。私が9歳の頃に夢中で読んだ本だ。厚くて字が小さいので、本に馴染みの薄い子は読まないかなと思い、『ドリトル先生アフリカゆき』を1章ずつ、2章まで読み聞かせをした。新着本は1ヵ月後からの貸し出しなので、続きを読んでほしかったのだ。第1章を読んだ後、文庫本を自分で買って読み始めた子がいた。第2章を読んだ後、新着本の貸し出しが始まる。何人の子がこの本を手にするか楽しみだった。新着本の貸し出しが始まると、読み聞かせをした子どもたちが、次々と『ドリトル先生シリーズ』を借りていった。読み聞かせで本のおもしろさが広がったと思った。

(小学校4年生67人 教師)


昔話の楽しみ

にんじんさんがあかいわけ  あかちゃんのむかしむかし
にんじんさんがあかいわけ あかちゃんのむかしむかし
松谷みよ子/ぶん ひらやまえいぞう/え
童心社

 昔話を読みたいと思って選んだ本。午前におもいっきり外で遊んでお昼ご飯の後に読んでみた。「○○でねぇ」と語りのような文だったので、子供たちの耳に入りやすかった様子。いつもは一度しか読まないのだが、その場にいた子供たちの要望で2度読んだ。絵の柔らかさとお風呂という馴染み深いものがよかったのか。昔話のなせる業か。

(1歳〜4歳親子8人 もうもう)


読み聞かせは季節も大事

ボリスのゆきあそび
ボリスのゆきあそび
ディック=ブルーナ/さく
角野栄子/やく
講談社

 サークルで順番にメンバーの親子に読み聞かせをする時間があり、2月の寒い日にこの絵本にした。いつもはワイワイして絵本を読んでいても全員が集中することはないのだが、この絵本は場面が変化に富んでいたのか、よく聞いていた。小さい絵本なので、この人数では難しいと思っていただけに、嬉しい誤算だった。特にボリスがバーバラの雪だるまにそばかすをつけてあげたところは、子どもたちも嬉しかったようだった。

(1歳〜3歳親子20人 もうもう)


姪っ子との楽しいひととき

あたしもすっごい魔女になるんだ!
あたしもすっごい魔女になるんだ!
ミッシェル・ヴァン・ゼブラン/作
金原瑞人/訳
小峰書店

 図書館の小学生向けおはなし会の前に、三歳の姪に読んでみた。読み終えると、暫く間がある。どうしたのかと思っていると、姪が「もう一度読んで」とそっと言う。私は喜んでもう一度読む。そして、もう一度 もう一度と…。子供は、気に入るとあきずに、その世界に入っていく。絵もじっくりみて、うじゃうじゃいる蛙の中の「どれがママ?」と聞いてくる。私も一緒に、探す…。姪っ子と絵本の世界に入り込んだ、幸せな一時だった。

(50代女性)