この『14匹シリーズ』は2歳半の娘には少し難しいかな?と思いながらも一緒に本を開いた。あふれそうなくらいに描かれた生き物や植物と14匹を眺めてしまい、読み終わるのに時間がかかったが「隠れてるトカゲはどこだ?」なんて遊びつつ毎晩読む様に。すると、いつの間にか娘が文を全部覚え、実に上手に読んでくれるようになった。私の読みグセもそのまま暗記してしまい気恥ずかしかった。6歳になった今でもこの1冊は娘のお気に入りだ。
(A.K)
風邪で寝込んだ中学生の息子に「たまには本でも読もうか?」と声をかけてみた。意外にもスンナリと応じてきて「パンを踏んづけた子の話が聞きたい」と言う。今にも壊れそうな本を取り出し読むと、ヘンなツッコミを入れることもなく静かに聞いていた。繰り返し読んだ話ではないのに、どうして覚えていたのやら。高慢な娘の行為が幼心に教訓として強く残ったのだろうか。十余年を経た今も気になるところだが謎のままにしておこう。
(S.N)
3ヶ月の娘に初めて読んだ本。お膝に乗せて読みながら、一緒に絵本の世界を楽しんでいけるのかと感慨深い思いをした。成長するにつれて、好きなページが変わっていったり、繰り返し読むことを不思議に思ったりしていた。寝返りをするようになると、オムツ替えが大変で閉口していた時に、ふと思いついたのが娘をうつぶせにして絵本を見せること。大好きな赤い車を探させたり、ページをめくらせたりと絵本に興味を持っているうちにオムツ替えをするようになり、私も大助かりだし、娘も楽しそうだった。私は絵本をお膝に座らせて読むものと言う思い込みから解き放たれて、『生活の中の絵本』の位置について気づかされた思いだった。
(もうもう)
二歳の娘に、「大きくなったら何になりたい?」と聞くと、娘は「忍者!」と即答。それもそのはず、娘が最近はまっている絵本が『にんじゃつばめ丸』という絵本。絵本の世界は日常にまであふれ影響し、娘が着替えを嫌がっている時に、「早着替えの術!」と私が絵本にはない術を言っても、驚くほど早く着替えてくれる。以前、虫の絵本にはまっていた時には、「ありになる!」と言っていたが、しばらくは忍者ブームが続いてほしい。
(C.T)
わが家の息子は『しろくまちゃんのほっとけーき』が大のお気に入りです。ほっとけーきが焼けるまでの場面は、いつの間にかフレーズを暗記し、歌のように口ずさんでいます。見終わった後には決まって「明日ほっとけーき食べたいな。」とリクエストがあります。この絵本は私も幼少の時に大好きで大切に持っていました。時が変わっても愛される素敵な絵本。読む度に子どもの頃を思い出し暖かい気持ちになります。
(40代女性)
ある時、児童館職員の娘が「今日、読み聞かせで『わたしのワンピース』の絵本を読んだのよ」と言う。娘がまだ幼かった頃、「ミシンカタカタ読んで」といちばんリクエストの多かった絵本だ。真っ白な布でワンピースを作り、お花畑を散歩して次々とワンピースの模様が変わっていく様子が楽しかったのだろう。20数年たった今、その絵本を娘がまた子ども達に読みきかせをしているとは、なんとステキなことだろう。
(M.K)
娘が幼稚園の年長の頃、毎夜一話ずつのつもりで読み始めた。子供は自分が赤ちゃんの頃の話を聞くのが好き、だからモモちゃんが生まれた日から始まるこの物語もすぐに夢中になった。字が大きいとはいえソフトカバーの新書版サイズ。少しは漢字もある。けれど、娘は待ちきれずに自分で読むようになった。5歳にして絵本以外に初めて自分で読んだ本がこれ。私が子供の時に大好きだった本が、娘にとっても特別な一冊になった。
(K.O)
もう数十年も昔の事、何気なく書店で手にした一冊、それが「そらいろのたね 」だった。何故その本を選んだかはよく覚えていないが、のどかで、ほのぼのとしたものを感じたような気がする。幼いふたりも気に入ってくれて、毎日せがむようになった。今思うに絵本を読んでもらう事が、唯一母親に甘えられる機会だったのかもしれない。絵本は母と子、人と人とをつなぐ大切な空間を作ってくれる、素晴しい贈り物だと思う。
(60代女性)
昔から好きだったこの絵本を子供に読むのが楽しみでした。読み始めてドキドキしていたが、夕焼けのシーンで嬉しそうにタンタンを見つけている娘の様子が嬉しかった。初秋に読んだので、これから夕暮れが美しくなる度にまた読んでみたいと思う。娘は最後にページと裏表紙が一番のお気に入りのようだ。昨日は一日中、裏表紙のだるま姿で遊んでいた。
(もうもう)
毎晩、寝る前に「好きな絵本を持ってきてね」と子どもに言うと、本棚の前で色々悩んだ末、決まって持ってくるのが『ねずみのいもほり』の絵本だ。ひらがなを少しずつ読めるようになった息子は途中まで大きな声ではりきって読んでいるが「お母さん続き読んで」と言ってこちらが読むと、一字でも間違えると「違うよ!」と言うくらい暗記している。「ねずみさんが大きいおいもを掘って一等になる所が大好き」と今夜も瞳を輝かせた。
(40代女性)
この本は数年前から私の好きな本の一冊、寒くなると読みたくなる一冊でも。5歳の女児を膝にのせ読み始める。最初は手足を動かし落ち着かず、次第に動きが止まり女児の体の暖かさを感じられるように、女児の表情は見えないがこの暖かさから女児の感情の動きが見え、伝わったような気が!アイリーンがお母さんの作った大切なドレスを奥様に渡したところでは安心したように私の顔を見“よかったネ”とひと言。又、六歳になった女児と読みたいです。
(60代女性)
子供と参加した図書館のおはなし会で若い女性の職員の方が読んでくれたのがこの本との出会いでした。今でも彼女の心地好い声を思い出せるほど、とても印象に残っています。その後、わが家の読み聞かせでも人気の一冊になりました。お話も絵もとてもあたたかくて、最後にやっとおばあちゃんと出会えて、ぎゅうっとしてもらえるところは、子供に読んであげながらいつも自分が泣きそうになってしまう大好きなシーンです。
(ayataro)