ヘッダ

ボランティアから さぁ、おはなし会始めますよ〜

よい絵本は年代を超える

おじさんのかさ
おじさんのかさ
佐野洋子/作・絵
講談社

 小学校3年生90人。合同お楽しみ会。仲間が大型絵本をめくる。私が読む。始まる前はザワついていたものの、静かに聞いている。楽しんでくれているのかしら等と気になりながら終える。後日、感想文が届く。「『おじさんのかさ』良かった」と何人もの子達のメッセージ。嬉しかった。齢80を越す父に話すと、読んでと言う。聞いた後、「童心にかえっていいねぇ。また聞きたい。」と言った。良い絵本に出合えて、私はとても幸せである。

(小学校3年生90人 50代女性)


みんなで楽しめる絵本

わゴムはどのくらいのびるかしら?
わゴムはどのくらいのびるかしら?
ジェリー・ジョイナー/え
マイク・サーラー/ぶん
きしだえりこ/やく
ほるぷ出版

 集団に対して読むからこそ“楽しい”と言う本だ。言葉は簡潔で、ストーリーは奇想天外で短い。1対1で読んであげるとあっけなく終わってしまう。ところが、集団ではひとりが「え〜っ?!」と言いだすと、ページをめくるたびに声をあげる子が増えていき、声の高まりとともに期待と緊張感も高まっていく。子どもたちは、読み手までいとも簡単に本の中へと連れて行き、同じ世界を共有させてくれる。その場が一体となっていくのを感じさせてくれる。

(小学校1年生30人 K.O)


読み聞かせは自分で本を読むきっかけに

だいじょうぶだいじょうぶ
だいじょうぶだいじょうぶ
いとうひろし/作・絵
講談社

 以前、息子が音読していたのを聞き、ジーンと心に残った絵本です。読み聞かせを終え教室を出ると、先生がいらして「奥が深いお話ですね」とおっしゃってくださいました。そこへ教室から「ほら、これ同じ本だよ」と数人の子がかけ寄って来ました。「読み聞かせをしていただくと、こうして同じ本を見つけて、子どもたちが読むきっかけができるんです。ありがとうございます。」と、そのような言葉をいただいて嬉しく思い、励みになりました。

(小学校1〜6年生15人 N.T)


子どもは詩も大好きです

おじいちゃんとおばあちゃんとぼく
おじいちゃんとおばあちゃんとぼく
鹿島和夫/編 おぼまこと/絵
理論社

 おはなしボランティアとして参加した、新一年生向け出前おはなし会のことです。プログラムに詩の朗読を入れた時、詩をわかってもらえるかとても心配でした。同じ一年生が作った数編の詩を読んだところ、とても楽しんでくれた様子でした。そして帰り際に、読んだ詩の中のフレーズを口ずさんでいる児童がいたのです。詩という、少ない言葉でも何かしら感じとる気持ちがあることにとても感動しました。

(小学校1年生30人 50代女性)


科学絵本の楽しさを知る一冊

はなのあなのはなし
はなのあなのはなし
やぎゅうげんいちろう/さく
福音館書店

 題名を読んだだけで、子どもたちの好奇心いっぱいの瞳が私に向けられる。読み進むページごとの反応も充分伝わってくる。“はなくそ”のくだりではおかしそうに笑う子、神妙な顔で聞く子、恥ずかしそうにする子とさまざま。科学絵本の楽しさを知った一冊です。物語絵本も然り、読み手の声によって絵本は息づき、子ども達とともにちょっと違う世界をさまよう一時。受け止め方だって十人十色。予想外の反応に面白さや驚きも。まさに読み聞かせの醍醐味です。

(小学校3年生30人 a.n)


魅力的で不思議な世界

もこもこもこ
もこもこもこ
谷川俊太郎/作 元永定正/絵
文研出版

 乳幼児向けおはなし会に初めて読み手として参加した時、迷わずこの本を選びました。「しーん、もこもこ、にょきにょき」そしてみるまに大きくなりパチンとはじけ、また「しーん」。美しい色彩の単純な絵と、擬音ばかりのこの絵本には、乳幼児も大人もあっという間にひきこまれてしまう不思議な世界、魅力があります。お母さんの膝に抱っこされた乳児もそのリズム感を楽しんで、じっと絵本をみつめていました。心に残る大切な一冊です。

(6ヶ月〜2歳親子10組 pon mama)


ていねいに読み進めていくと最後にホッ

わゴムはどのくらいのびるかしら?
わゴムはどのくらいのびるかしら?
ジェリー・ジョイナー/え
マイク・サーラー/ぶん
きしだえりこ/やく
ほるぷ出版

 小学校1年生にサークルで読み聞かせに行った時の絵本。絵本の魅力が全面にでている。わゴムをベットの端に引っ掛けどんどん伸びてゆく様子に「ありえない」と言いつつも目をそらさずに食い入るように見ている子どもたち。その様子を見ながら、丁寧に読み進めていくと、最後にホッとした満足気な顔が見れたのが嬉しかった。

(小学校1年生80人 もうもう)


子どもたちが主人公に共感

くいしんぼうのあおむしくん
くいしんぼうのあおむしくん
前川欣三/画 槇ひろし/作
福音館書店

 この本は4年生の教室で朝読書の時間に読み聞かせをしてやりました。あおむしが巨大化して地球上の何もかもを食べつくしてしまうというストーリーです。テンポよく読み進んで少年が食べられてしまうページは読み終わった後、間をもたせてからパッとめくりました。子供たちの感想は「おもしろかった」「こわかった」等です。子供たちが主人公に共感を持ってストーリーに引き込まれていくという絵本を選ぶようにしています。

(小学校4年生35人 30代女性)


読んでいる途中で涙が込み上げた一冊

10分で読めるお話6年生(夕暮れの占い師)
10分で読めるお話6年生(夕暮れの占い師)
木暮正夫/選 岡信子/選
学習研究社

 小6の娘が大した理由も無いのに仲間はずれにされていました。多分、積極的に学校行事に参加する私を娘の友人は面白くなかったのでしょう。そんな頃、読み聞かせボランティアに参加することになりました。不安もありましたが、娘の為に教室で本を読もうと考えました。話は自分の思い、勘違いなど女子特有な感情が描かれています。読んでいる途中で涙が込み上げ、先生に交代してもらう一幕も。けれど娘や友人に私の思いが伝わったようです。

(東京都マキ)