自分をみつめる
【2007年3月】今回は、「自分をみつめる」というテーマでご紹介します。
ウエズレ-の国
ポール・フライシュマン/作 ケビン・ホークス/絵 千葉茂樹/訳あすなろ書房
仲間はずれにされていた少年が、夏休みの自由研究に“自分だけの文明”をつくりだすという壮大な物語です。主人公の男の子のように、自分自身を理解している人は、どのくらいいるでしょう?この絵本の主人公を通して、自分をみつめ直してみては…?
ぼくを探しに
シェル・シルヴァスタイン/著 倉橋由美子/訳 講談社
この本の表紙には、「自分には何かが足りない、だから日々楽しくないんだ」と思っている丸い物体が描かれています。これから足りない“カケラ”を探しに行くところのようです。しかし、旅は決して楽なものではありません。それこそ文字通り、山あり谷あり。白黒でほぼ1本の線で描かれた丸い物体ですが、旅の途中で見せる愛嬌のある表情は必見です。ちゃんと泣いた顔、笑った顔がわかるんですよ。そんな絵を楽しむ読み方もあれば、丸い物体を自分に置き換えてカケラ探しの旅に出発してみるのも良いでしょう。ちなみに…続編もあります。
夏の庭 The friends
湯本香樹実/著 新潮社
この本は、一言で表現するならば日本版『スタンド・バイ・ミー』でしょうか・・・。そのあらすじは・・・小学6年生の3人の男の子達が、思いつきではじめた近所のおじいさんの張り込み。それは“死んだ人を見てみたい”という安易な考えが発端でした。しかし、人間には情というものがありこの3人のやんちゃな男の子達も、次第におじいさんと心の交流をしていきます。その交流の中で、自分を見つめ直し、心をさらけ出して友情を深めていきます。この本の副題は“ザ・フレンズ”です。3人の友達を思う気持ちというのも、見逃せないテーマです。
穴 HOLES
ルイス・サッカー/著 幸田敦子/訳 講談社
主人公は友達もなく、いつもまずい時にまずい場所にいてまずい立場に立たされてしまうような男の子です。でも、この子はそんな運命を受け入れ、笑い飛ばしちゃうぐらい強いんです。でも、ある時無実の罪で少年院におくられるという人生最大の不運が…!少年院は、百年以上も雨が降らず強い日差しが照りつける場所。歩くだけでもつらいのに、毎日毎日直径1.5m、深さ1.5mの穴を掘らされるのです。所長をはじめ、味方には決してなってもらえない大人たちに囲まれています。さて、主人公はこの過酷な条件の中でどのような成長をとげるでしょう?番外編も出版されています。興味のある人は続けて読んでみてください。
※1999年刊行の本は、中央・わかたけ・武蔵野台所蔵。
NO.6(1)~(5)
あさのあつこ/著 講談社
舞台は近未来。「NO.6」とは、街の名前です。この街に暮らす主人公の部屋に突然侵入者が・・・というところから話は始まっていきます。幼児検診でIQの高さを測られ、優秀だと認められた主人公・紫苑。住む場所も、教育もすべて保証され、将来も約束されています。ですが、突然の侵入者によってその生活が一変します。読み進めていけばいくほど、物語にのめりこめる本です。
おとなになる本
パット・パルマー/原作 eqPress/編訳 広瀬 弦/絵 径書房 定価1500円+税
「なんだかつまらないなぁ~。面白い事ないかなぁ」と言っている人はいませんか?そんな人のために、紹介したいのがこの本です。この本を読み終わったころには、不思議と気持ちがすっきりしている・・・そんな内容が書かれています。この本は3部作となっていて、いずれも思春期と呼ばれる皆さんたちへ向けて書かれた本ですので、ぜひ手にとってみてください。