喜怒哀楽の怒!
【2013年12月】喜怒哀楽の怒!
今回は、喜怒哀楽の“怒”をテーマに5冊ご紹介します。
怒りという感情は、本の中でどのように表現されているのでしょうか…。
次回は、“哀”をテーマにご紹介する予定です。お楽しみに。
トトの勇気
アンナ・ガヴァルダ/作 藤本泉/訳 小林ゆき子/絵 鈴木出版(2006年出版)
“学校なんて、きらいだ。”という一文から始まる物語。
学校が人生を台なしにしたと思っている13歳のグレゴワールの胸の中は、いつも疎外感や怒りや悲しみがたくさん詰まっています。
救いの道はあるのでしょうか?
※日本図書館協会選定図書、全国学校図書館協議会選定図書。
※2006年緑陰図書選定(中学生の部)。
怪物はささやく
パトリック・ネス/著 シヴォーン・ダウド/原案 池田真紀子/訳 あすなろ書房(2011年出版)
怪物はコナーの前に突然現れた。
つまり、コナーの母の病気、リリーとのけんか、学校でハリーの暴力を受けていること、悪夢、すべてが起こった後に。
コナーの怒りが怪物を呼び寄せたのか?怪物はこれから3つの物語を聞くこと、コナーに4番目を語ることを要求するが…。
※2012年全国課題図書(中学校の部)。
※2012年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞受賞。
今日も怒ってしまいました
益田ミリ/著 文春文庫(2009年出版)
生きていれば、いろいろな怒りが生まれます。きっといろんな方法で人は怒りをしずめ、なんとかやっているのでしょう。
「あるあるこんな事」と共感し、最後はプスっと笑ってしまうお話はなぜだかこの著者との距離を縮めてくれました。
※大和書房2002年刊の加筆修正。
それ ほんとう? 新装版
松岡享子/文 長新太/絵 福音館書店(2010年)
「あ」のつく言葉だけで一つのお話がつくれちゃう。
楽しくて不思議なお話が「あ」から「わ」まで全部ある言葉遊び本。
その中で、「い」は いきりたつ・いきどおる・いがみあうなど いかといそぎんちゃくの いさかい のお話です。
※1973年刊行本も中央で所蔵しています。
人生なんて無意味だ
ヤンネ・テラー/著 長島要一/訳 幻冬舎(2011年)
“意味のあるものなんてなにもない”そう言って以来学校へ来なくなり、通学路にあるスモモの木の上から、無意味だとわめくピエール。
それに怒りを募らせるアグネスたちは、意味のあるものがあるとクラス全員で証明しようとしますが…。
意味のあるものとは何なのでしょうか?
※2001年度デンマーク文化省児童文学賞、2008年フランス最優秀児童書賞、2010年アメリカ最優秀翻訳書賞受賞。