「図書館員が憧れる本の主人公たち」
【2011年6月】
今回は、我々図書館員が憧れる本の主人公たちをご紹介します。
さぁ、カッコイイ主人公たちの登場です!
のぼうの城上・下巻
和田竜/著小学館文庫(2010年)
秀吉が唯一落とせなかった城。それは、周囲を湖に囲まれた、武州忍城(おしじょう)。 この城主《成田(なりた)長親(ながちか)》がなんとも魅力的なのです!部下や領民から慕われ、人気者。強くて、頼もしいから? …いえいえ、長親(ながちか)は「のぼう様」、すなわち「でくのぼう」と呼ばれ、あまりにも頼りないので守ってあげたいと皆が一致団結。 こんなヒーロー見たことがない。痛快の一言です。
※2007年に小学館より出版された本も全館所蔵。
ペリー・メイスン〈叫ぶツバメ事件〉 (世界の名探偵7)
E.S.ガードナー/作オノビン/絵堀内一郎/訳岩崎書店(2001年)
私が通っていた学校が古本屋街の近くにあり、ふらっと立ち寄った店で目に留まったのが “ペリー・メイスン”シリーズでした。 彼の本業は弁護士。次々と依頼される案件の謎をスマートに解決するその姿がとにかくカッコイイ!!のです。 彼に憧れる…というよりも「編集者になりたい」という夢を持っていた私は、ペリー・メイスンシリーズを80冊以上も生み出した、 作者・ガードナーに憧れていたのかもしれません(ちなみに、私が古本屋で購入したペリー・メイスンシリーズ/早川書房は30冊ほど。それほどハマッタということですよ…)。
たのしいムーミン一家
トーベ=ヤンソン/作・絵山室静/訳講談社青い鳥文庫(1980年)
普通だったら味わえない冒険続きの毎日…一度でいいからそんな日々を送ってみたい!と思ったことはありませんか? たくさんの自然に囲まれたムーミン谷に住む“ムーミン”は、仲間たちと山や森へ探検に出かけたり、船に乗り海へ出ることもあれば、谷の個性的な住人や外から来た人との事件に巻き込まれたりと、暇な日はありません。 冒険心あふれるムーミンがなんともうらやましい限りです。
※わかぎりは2011年出版の講談社文庫を所蔵。このほか図書館には絵本や童話全集など、ビデオ・DVD(武蔵野台のみ所蔵)にいたるまで“ムーミン”を取りそろえています。興味がある人は窓口でたずねてみてね。
魔女の宅急便
角野栄子/著福音館書店(1985年~)
魔女の修行で一人前になるために、黒猫のジジと一緒に13才で旅に出るキキ。 宅急便屋をしながら、新しい街での出会い、様々な出来事、不安と喜びの生活を13才でやっているということが「凄い!」の一言です。
ジブリ映画「魔女の宅急便」と本書は、主な設定部分が一緒ですが、原作には見えるものや見えないものなどいろいろ運んでいます。
全6巻あり、キキの成長した物語が楽しめます。
※文庫版(2011年6月現在3巻まで刊行)は、武蔵野台のみ所蔵。
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃(ライトニングボルト)
リック・リオーダン/作金原瑞人/訳ほるぷ出版(2006年~)
もしも自分の父親がギリシア神話の海の神ポセイドンだったら…!
海でも溺れることがなく、水を操ることが出来きたら素敵ではありませんか?でも父親には会えず、学校の中でも怪物に追い回されては大変ですよね。
パーシーはそんな日々を母親と二人で暮らしています。
決して楽ではないハーフ(神と人間の子)の生活をユーモアと前向きな精神によってたくましく生きていく姿は好感がもてます。
※全5巻+外伝。